2015年10月28日水曜日

フォンタン手術・前日

毎回手術のときにお参りしている、子育て地蔵さまのところへ。
 リサは、髪の毛がサラサラさっぱり。
「お風呂入った」「ドライヤーしたの」
朝のうちに看護師さんがお風呂に入れてくれたらしい。家でもこんなに髪の毛がまとまっていることはないのに。
 朝早く起きたから眠くなっちゃった。
お下がりにもらったアンパンマンのピアノの本がすごく気に入ったらしく、今回はiPadのゲームなどしなくとも楽しんでいる。どの鍵盤を押しても曲が弾けるというかんたんモードというのがあり、かえるの歌や、ぶんぶんぶんなど、リズム通りに弾けるように猛練習中。
 寝たきりでも飲みやすい、市販のストローが使えるアンパンマンのコップを買ってきたら、案の定大喜びで、いつもはなかなか飲まないお茶をあっという間に飲み干した。
 今日は大きな検査はないので、比較的のんびりと過ごす
 1日中ベッドの上にいたせいか、パワーが余っている。
夕ご飯を食べた後「あんよ〜あんよ〜」と騒ぎ出したので、プレイルームへ移動。点滴とボンベを引き連れてなので、パパとママ2人ともいないと無理だ。
ひとしきり遊んでやっと満足してベッドへ。

外科のM先生から、手術の説明を受けた。執刀医はノーウッド・グレン手術の時と同じく高名なS先生だが、準備やサポートはM先生がされるそう。
リサが明日受けるのは、フォンタン手術と同時に僧帽弁の逆流の治療。フォンタンだけなら、心臓内には触らないので、人工心肺も使わないが、弁は心臓内なので人工心肺が必要。
僧帽弁は左心房と左心室の間にあり、逆流しているということは、全身への血流が減っているということなので、むしろ閉鎖している方がいいぐらい。実際にどういう治療をするかは手術中に判断するが、おそらく 2枚の弁の間を縫い止めて、その間から血が流れるようにするだろうとこのこと。
フォンタンは、下大静脈を心臓から切り離し、人工血管を使って肺動脈と下大静脈をつなぐことによって、心臓を介さずに肺に静脈血を流し、酸素を取り込む形にする。メリットは、右心室を左心室の代わりに使えるということだが、その分下半身から肺にうまく血が戻らないと、多くの臓器にうっ血し、体調不良に陥りやすくなる。なので、肺にたくさん血が流れるというのが大変重要。
リサはフォンタンの中でも「穴あきフォンタン」という術式を取り、人工血管と右心房をつなぐ小さな穴(3.5mmほど)を開け、心臓に戻るルートを多少残しておく。
メリットとして、肺にうまく血が流れず下半身がうっ血するのを緩和することと、この先カテーテルを使う場合に心臓にアクセスするルートが確保出来ること。
デメリットとしては、酸素飽和度が、穴あきにしない場合に比べ下がってしまうこと。
手術に時間がかかる要因として、癒着の剥離が大変らしい。開胸手術は3回目となるので、その分癒着が多いことが予想される。癒着している部分は電気メスで切っていくそう。大事な血管などを切ってしまわないように慎重に進めるので時間がかかりそうです、と。

とにかく、いろいろ細かく説明していただき、今回の手術としては難しいものではないが、術後の適応が難しいので、手術が成功しても、フォンタンがうまくいくとは限らないことがよくわかった。こればっかりは実際にやった後でないとわからないので、うまく適応出来ることを願うばかりだ。
でも先生が仰ったのは、「左心低形成低形成という非常に大きな問題を抱えた中で、ノーウッド、グレンを経て、フォンタンを受けられるというのは、非常に運がいいことです。そこまで到達出来ないケースが多いわけですから」。
リサが元気なので忘れてしまいがちだけど、フォンタンを受けられる条件が整ったこと自体が幸運なのだ。

たくさんの合併症やリスクの説明を受け、輸血や血液製剤、身体抑制などの同意書にサインをする。
その中ではっとしたのが、「今回、輸血を必要とします。胸水などが出ることが予想されますので、多くを使うことになるでしょう。生の血液と、血液製剤を併せて使用しますが、出来るだけ血液製剤を使います。貴重な血液ですから、本当に必要な人の分まで使ってしまわないようにコントロールしながら」という言葉。
血液が足りない、といつも言われている昨今だけど、体力的に自信がある方ではないので、献血は大昔に1,2度したきり。でも健康なのだから、出来るだけ献血をしよう、と思った。

1 件のコメント:

  1. そうだね。
    ずーっと、リサはラッキーが続いたね。ノーウッドグレン手術翌日のやり直し手術は、もうダメかと正直思った。でもリサはあそこから見事に復活したね。そして素敵な時間をその後プレゼントしてくれたね。

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